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ステンドグラス(stained glass)は、エ字形の断面を持つ鉛のリムを用いて着色ガラスの小片を結合し、絵や模様を表現したもののことです。
ガラスに金属酸化物を混入することで着色しています。
教会堂や西洋館の窓の装飾に多く用いられています。
外部からの透過光で見るため、人の目に非常に美しく写ります。
装飾を否定するモダニズム全盛の時期になるとあまり用いられなくなりましたが、今日では再びステンドグラスが見直され、公共建築、住宅、教会などに採用されています。ガラス工芸として、ランプの傘などにも用いられています。
古代
再建されたイスタンブルの聖ソフィア寺院では着色されていない板ガラスを窓に用いていました。
一方、500年前後に完成した同地区の寺院にはステンドグラスの跡が残っています。
当時のガラスはフェニキア人から伝わった吹きざお製法を発展させたローマンガラスでした。
中世
破片の形で残る最も古いステンドグラスは、フランク王国のカール大帝の支配下にあったロルシュ修道院(ドイツヘッセン州)で見つかっています。修道院は764年創建だが、ステンドグラス自体は9世紀のものだと推定されています。
ステンドグラスにはキリスト像が描かれていました。原型を留める最古のステンドグラスは、ドイツ南部バイエルン州に位置するアウクスブルク大聖堂に残っています。
ダニエルをはじめとする5人の預言者を描いたステンドグラスは12世紀初頭の作品だと考えられています。
その後、ステンドグラスはフランスにおいて発展していきました。
12世紀頃になるとロマネスク美術に続いてゴシック美術が北フランスからおこり、建築技術の向上が見られました。
飛梁の発明により天井は高く壁は薄くなり、大きな窓が可能になりました。
ゴシック様式を採用した教会堂の窓には彩色の施されたステンドグラスが使用されるようになり、教会堂は光のあふれる空間となりました。
12世紀の代表的なステンドグラスは、パリの南西90kmに位置するシャルトル大聖堂のものです。
176ものステンドグラスを誇ります。
「美しきガラス窓の聖母」、「薔薇のステンドグラス」など多数、青と赤の色彩が特徴的です。着色に使われた金属酸化物が不純物を含んでいること、ガラスの表面が平面ではないことから、複雑で微妙な色彩をかもし出しています。
イングランドでは、1220年から1472年にかけて建設されたヨーク大聖堂(York Minister)が最大級です。10万枚以上のガラス片を用いた200m2近いステンドグラスが残ります。
ローマ帝国以後、ガラスの製造は沈滞していましたが、ステンドグラスの興隆とともに、ガラス製造にも革新が起こりました。
1291年に海軍国家となって繁栄し始めたヴェネツィアがムラーノにガラス工場を集積し、ローマンガラスの質を高めました。
今日でもヴェネツィアグラスとして知られています。ステンドグラスと並び、ガラス器の製造も盛んになっていきました。
近代
中世回帰を目指すアーツ・アンド・クラフツ運動ではステンドグラスが好まれました。
モリス商会の主力商品の一つはステンドグラスでした。
日本
日本では近代建築とともにステンドグラスの技法が伝えられました。
素朴なものでは大浦天主堂(国宝)のステンドグラスがあります。
海外で制作された作品を輸入して取り付けることもありましたが、明治後半から日本人もステンドグラスの技法を身に付け、次第に自前で造るようになっていきました。
慶應義塾大学図書館の大ステンドグラスは、和田栄作の原画により、小川三知が制作したものですが、戦災で失われて、現在は原画をもとに復元されています。
大正時代以降は洋風住宅の普及とともに流行し、一般の住宅にも使われるようになりました。
なお、日本で最も大規模なステンドグラスは国会議事堂のものです。
公共建築物では、名古屋市市政資料館(旧名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所庁舎、1922年)の中央階段室にステンドグラスがあります。
鉛線(レッドケイム)技法
昔からの教会建築等にも使用された技法で、トラディションとも呼ばれます。溝がある沿線にガラスをはめ込んで、ハンダでジョイントしていく方法です。
強度が高く、ドアや窓等の大型パネルを作るのに向いています。
the roomで扱っている三層構造のステンドグラスは、こちらの技法を用いたものです。
コパテープ技法
この技法は、発明者の名前をとり、ティファニーとも呼ばれます。
デザインに基づいてカットしたガラスを研磨し、薄い胴のテープを巻きつけ、ハンダでジョイントしていく方法です。
大規模な設備が無くても挑戦しやすい技法となります。1800年頃のアメリカで登場しました。
ダル・ド・ヴェール技法
厚いガラスを並べ、隙間に砂を混ぜた樹脂やセメントを流し固める技法で、モザイク画のような仕上がりになります。
強度に優れた厚みがあり、重厚感たっぷりのパネルを作ることができます。1930年頃のパリで登場しました。
フュージング技法
同じ膨張係数を持つガラスを組み合わせて窯で焼成していく技法です。
アクセサリーから立体的な作品まで作ることが出来ます。
技法自体は古く、紀元前にも行われましたが、 1920年代からアール・デコ運動により見直され、広まっていきました。


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